ハッキングとは何か

最近よく「ハッキング」という言葉を耳します。簡単なハッキングを行うことのできる ユーザは今や世界で20万人を超えています。

今では「ハッキング」も一つのコンピュータのジャンルとして完全に定着 してきているようで、書店や雑誌・インターネット上でも多くの情報を得ることができます。

平成15年7月2日に経済産業省が、 情報セキュリティに関わる次代を担う青少年の早期育成を図るため 「 セキュリティ甲子園」の開催(抗議により中止になりました)を決定 したことからも、ある程度の知識は一般の方も知っておく必要があるでしょう。


ハッカー (hacker) とクラッカー (cracker)

そもそも、「ハッカー (hacker) 」とはコンピュータ技術に精通した人をいい、 ハッキングとはコンピュータネットワークに限らず知的好奇心を満たすことが 目的とする行為のことを指します。このため、本来悪い意味ではありません。

それに対し、 コンピュータ技術を悪用してコンピュータに侵入・破壊を行う者は「クラッカー (cracker) 」 と呼んで、ハッカーと区別することがあります。

しかしながら結局のところ、「自称」ハッカーが ハッキングと称してクラック行為を行う人が多いため(※)、 最近ではこれらをまとめて「ハッカー」と呼ぶことが一般的になりつつあります。

※ 平成12年2月13日に施行された「不正アクセス禁止法」により、 他人のネットワークへの不正侵入は違法となっています。

ハッキングの起源

マサチューセッツ工科大学(MIT)では創意工夫をこらした ユーモアを「ハック」と呼ぶ伝統があり、これがハッキングの起源です(コンピュータ とは関係がありません)。

1950 年代になって、アイデアや優れたテクニックによって コンピュータの性能を引き出す者がと「ハッカー (hacker) 」呼ばれるようになります。 これが現在一般的に知られているハッカーの起源です。

ハッカー・クラッカーの呼び名

ハッカー・クラッカーの呼び名を紹介します。一般的に下にいくほど レベルが高いと考えれています。

●ワナビー【wannabe】

ハッカーになりたいと考える人たち。自称ハッカー。 「I wanna be a hacker」(wanna=want to)が語源。

●クリプトキディ【Script kiddies】

他人が作ったスクリプトや プログラムを使ってクラッキング行為を行うレベルの低いクラッカーを意味します。

●ニュービー【Newbie】

初心者。ハッキング入門者を意味します。

●ハッカー【hacker】・クラッカー【Cracker】

高度なプログラムを書くことができる人、またはコンピューターやネットワークに関する 深い知識を持っている人を指します。ハッカーとクラッカーの違いは前述しています。

●ウィザード【Wizard】

コンピュータに関する最上級のエキスパートのことを意味します。 神々に限りなく近い存在といった意味で「男性の魔法使い」が語源です。

●グル【Guru】(類語:デミゴッド【demigod】)

より高度な技術を持ったハッカー、または他人に知識を供給できるハッカー。 長年ネットワーカーとしての経験かついずれかの分野で偉業を成し遂げた人

有名なハッカー (hacker) とクラッカー (cracker)

前述したハッカーとクラッカーの違いを踏まえて、両者の有名人を紹介します。

●ハッカー (hacker)

デジタル・リサーチ社(Digital Research Inc.) のゲイリー・キンドール(Gary Kildall)

マイクロソフト(Microsoft)の ビル・ゲイツ(Bill Gates)

IBM の要望により、シアトル・コンピュータ・プロダクツ(Seattle ComputerProducts)社 という無名の会社からQDOS というソフトの権利を買い取って、MS-DOS 開発するに至る話で 両者とも登場。

今ではゲイツは経営者だが、当時は何千行というプログラムを紙面に書いても、 1 つのミス程度の腕前。

●クラッカー (cracker)

キャプテン・クランチ(captain crunch.) こと ジョン・ドラッパー(John Draper)

ケビン・ミトニック(KevinMitnick)

1960年代「キャプテン・クランチ」というシリアルのオマケについていた笛を 用いて長距離電話をタダがけを行った。その後不正使用で数回監獄へ入ったジョン・ドラッパー。

コンピューター・ネットワークに犯罪目的で侵入したとして 有罪判決を受けた最初の人物ケビン・ミトニック。 1995年2月15日に FBI に逮捕された。彼の家宅捜索で利用できるクレジット・カード番号が 2万件以上発見された。

ハッキングの実践力を身に付ける方法

ハッキングの知識を学んで理解できるようになったら、 実践してみたいと思うのが普通でしょう。しかしながら、 他人をターゲットにすることは違法であり、捕まるのは時間の問題となります。

合法的にハッキングの実践力を身につけるには、以下の方法があります。

  • 自分でサーバーを構築しハッキングしてみる
  • ハッカーグループやチームに加入する
  • ハッキング用の無料サーバーで遊ぶ
  • 開催されるコンテストに参加する

自分自身にハッキングするのであれば、誰にも迷惑はかけません。 加えて、自分のサーバの弱点も分かります。

また、以下のようなハッキング練習のサイトもありますので、積極的に利用しましょう。

Free Hacking Zone (FHZ)  公式ページ:http://www.hackerslab.org/jorg/hackingzone/hackingzone.htm

コンピュータ大好き人間のためのハッキング腕試しのサイトです。 FHZには、telnetとWebで入ることができ、全部で17段階のレベルがあります。
W-4-r-C-r-0 (Wargameing Croatia)   公式ページ:http://www.ii-labs.org/wargame/

クロアチアのハッカーによる、ハッキング腕試しのサイトです。telnetとWebで入ることができ、全部で21段階のレベルがあります。

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