日本人のイグノーベル(Ig Nobel)賞受賞者(元祖まとめページ)
イグ・ノーベル(Ig Nobel)賞は「愚かなノーベル賞」といった意味であり、 本物のノーベル賞受賞者を含むハーバード大やマサチューセッツ工科大の教授らが 書類選考し「他の誰もやりそうにない、ユーモアと独自性を兼ね備えた研究や開発」に授与します。
米ハーバード大学系のパロディー科学誌「奇想天外な科学年報」などが主催し、1991年から 行われており、 「生物学賞・物理学賞・学術的研究賞・平和賞・化学賞・数学賞・文学賞・衛生賞・経済賞・薬楽賞」など(変更あり)10部門で構成されています。 授賞式はハーバードのサンダース・シアターの祝賀式典で行われ、 受賞者には賞状とトロフィーが贈られます。
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受賞年 | 名前 | 部門 | 受賞理由 |
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2023年 | 宮下芳明(明治大学教授)・中村裕美(東京大学特任准教授) | 栄養学賞 | 電気を使って飲食物の味を変える研究をした功績。電気による刺激で塩味を感じることができる食器開発に成功 |
2022年 | 松崎元(千葉工大教授) | 工学賞 | 人がドアノブのような円柱を回す時の指の使い方を明らかにした功績 |
2021年 | 村上久助教(京都工芸繊維大学助教) 西山雄大(新潟県長岡技術科学大大学院講師) |
動力学賞 | スマートフォンを見ながら歩く人がいると、集団全体の歩行速度が遅くなることを実験で突き止めた |
2020年 | 西村剛(京都大霊長類研究所准教授) ステファン・レバー(ルンド大(スウェーデン)) |
音響学賞 | 声色を変える無害なヘリウムガスをワニに吸わせ、鳴き声の変化を調べることでヒトなどと同じ発声メカニズムを持っていることを発見した功績 |
2019年 | 渡部茂(明海大学保健医療学部教授) 大西峰子 今井香 河野英司 五十嵐清治 |
化学賞 | 典型的な5歳の子供が、1日に分泌する唾液量の測定に対して |
2018年 | 堀内朗(昭和伊南総合病院消化器病センター長) | 医学教育賞 | 自ら内視鏡を操作し、座わって自分の大腸検査した論文「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」に対して |
2017年 | 吉澤和徳(北海道大学准教授) 上村佳孝(慶應義塾大学教授) |
生物学賞 | 雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫(トリカヘチャタテ)の存在を明らかにしたことに対して |
2016年 | 東山篤規(立命館大学教授) 足立浩平(大阪大学教授) |
知覚賞 | 前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると、実際より小さく見える「股のぞき効果」を実験で示した研究に対して |
2015年 | 木俣肇(開業医) | 医学賞 | キスでアレルギー患者のアレルギー反応が減弱することを示した研究に対して |
2014年 | 馬渕清資(北里大学教授) 田中健誠(北里大学) 内島大地(北里大学) 酒井里奈(北里大学) |
物理学賞 | 床に置かれたバナナの皮を、人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究に対して |
2013年 | 内山雅照(順天堂大学・帝京大学) 平井敏仁(東京女子医科大学) 天野篤(順天堂大学) 場集田寿(順天堂大学) 新見正則(帝京大学) |
医学賞 | 心臓移植をしたマウスに、オペラの「椿姫」を聴かせた所、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも、拒絶反応が抑えられ生存期間が延びたという研究 |
2013年 | 今井真介(ハウス食品) 柘植信昭(ハウス食品) 朝武宗明(ハウス食品) 永留佳明(ハウス食品) 澤田 博(ハウス食品) 長田敏行 東京大学名誉教授(法政大学教授) 熊谷英彦 京都大学名誉教授(石川県立大学長) |
化学賞 | たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると、涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっている研究 |
2012年 | 栗原一貴(産業技術総合研究所) 塚田浩二(お茶の水女子大学) |
音響賞 | 迷惑なおしゃべりをやんわりと制止する装置「スピーチ・ジャマー」開発。自身の話した言葉をほんの少し遅れて聞かせる装置。 |
2011年 | 今井眞(滋賀医科大学准教授) 漆畑直樹、種村秀輝(シームス) 田島幸信(香りマーケティング協会理事長) 後藤秀晃溝口浩一郎(エア・ウォーター防災) 村上純一(琵琶湖病院) |
化学賞 | 「わさびのにおい」を使って睡眠中の聴覚障害者らの覚醒に成功し、警報音の代わりに「わさびのにおい」を使った火災報知器の開発に功績 |
2010年 | 中垣俊之(公立はこだて未来大学) 小林亮(広島大学) 手老篤史(科学技術振興機構さきがけプロジェクト)ら7人 |
交通計画賞 | 迷路を最短で通り抜ける力が粘菌にあることを発見し、優れた鉄道網のモデルを作ることを突き止めた功績 |
2009年 | 田口文章(北里大名誉教授) | 生物学賞 | パンダのふんから取り出した菌を使って生ごみの大幅な減量に成功した功績 |
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2008年 | 中垣俊之・北海道大准教授ら6人 | 認知科学賞 | 単細胞生物の真性粘菌が迷路の最短経路を見つけることを発見した功績 |
2007年 | 山本麻由(国立国際医療センター研究所) | 化学賞 | ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出する研究をした功績 |
2005年 | 中松義郎(ドクター・中松総研) | 栄養学賞 | 35年間に渡り自分の食事を撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析した功績 |
2005年 | 早坂洋司(オーストラリアワイン研究所) | 生物学賞 | 131種類の蛙がストレスを感じているときに出す特有のにおいを全部嗅ぎ分けてカタログ化、骨の折れる研究 |
2004年 | 井上大佑(有限会社イノウエ) | 平和賞 | カラオケを発明し、人々に互いに寛容になる新しい手段を提供した功績 |
2003年 | 広瀬幸雄(金沢大学) | 化学賞 | 銅像に鳥が寄りつかないことをヒントに、カラスを撃退できる合金開発 |
2002年 | 佐藤慶太(タカラ社社長) 鈴木松美(日本音響研究所) 小暮規夫(獣医学博士) |
平和賞 | コンピュータ・ベースでの犬と人間の言葉を自動翻訳するデバイス「バウリンガル」開発 |
1999年 | 牧野武 (セーフティ探偵社) |
化学賞 | 妻や夫の下着に適用して精液の跡を発見できる浮気検出スプレーの開発 |
1997年 | 柳生隆視 他 (関西医科大学) |
生物学賞 | 様々な味のガムをかんでいる人の脳波を研究 |
1997年 | 舞田あき(バンダイ) 横井昭宏(ウィズ) |
経済学賞 | バーチャルペット(たまごっち)の開発によりバーチャルペットへの労働時間を費やさせた功績 |
1996年 | 岡村長之助 (岡村化石研究所) |
生物学的多様性賞 | 岩手県の岩石から古生代石炭紀(約3億年前)の石灰岩中に超ミニ恐竜化石を発見した功績 |
1995年 | 渡辺茂(慶應義塾大学) 坂本淳子 脇田真清(京都大学) |
心理学賞 | ハトの絵画弁別(ハトを訓練してピカソとモネの絵を区別できるようにした)功績 |
1994年 | 気象庁 | 物理学賞 | 地震が尾を振るナマズによって引き起こされるかどうかを7年間研究した功績 ※注意:受賞理由とされた報道が誤りであったことが後に判明したとして、イグノーベル賞の公式Webサイトの歴代受賞者リストからは削除された。 |
1992年 | 神田不二宏 八木栄一郎 福田實 中嶋啓介 太田忠男 中田興亜 (資生堂研究センター) |
薬楽賞 | 足の匂いの原因となる混合物の解明 |
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2003年は、カラスを撃退する合金を開発した金沢大学の広瀬幸雄教授が「化学賞」を受賞した。
2004年は、カラオケの発明者で兵庫県在住の井上大祐氏が平和賞を受賞した。「人々が互いに寛容になることを学ぶ、まったく新しい方法を提供した」というのが受賞理由。
2005年は、発明家のドクター中松こと中松義郎さん(77)が選ばれた。受賞理由は
- 35年間、自分の食事を写真に収め、3日前の食べ物が頭の働きや体調に影響を与えることを突き止めたこと
- 頭を良くし、長寿の源となる食材として「焼きのり」「アジ」「ビール酵母」など55品目を発見したこと
- 「1日3食」の定説を覆し「1日1食が頭を良くし、長寿にもなれる」という新説を科学的に証明したこと
としている。
2007年は、ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出したとして山本麻由さんが化学賞を受賞した。授賞式では、山本さんの名が冠されたアイスクリームを壇上のノーベル賞学者らが試食する一幕もあった(中身は一般のアイスクリーム)。