就職戦線かく戦えり 就活後記
  就活後記 >> 内定の壁「実践」編








まだ就職活動が始まっていない学生なら、「成績」や「技術」「体力」「精神力」「プレゼン能力」などを、日頃意識して大学生活を過ごして下さい(何でも良いので一生懸命チャレンジしたという経験を得ましょう)。
 また、大学院志望の人も是非とも就職活動をしてほしいところです。「やろうがやるまいが、受かる人は受かる」と言うのは一般論であり、「周りの学生もしていないし」では無く、もっと全体を見て行動するようにしましょう。
 地方の学生は、就職活動では10万~30万程度(最終的には1社が1~2万に平均されます)は必要になります。







 地方大学は実績が少ないため「大手だし内定は無理そう・・・」と、志望を下げる人がいますが、自分でラインを引かず、自分の志望する業界の最大手企業にもエントリーシートを提出しましょう

 大手は、エントリーシートの通過基準も高く、自分の書いたエントリーシートの甘さが分かります。特に「2000字記述して下さい」や、想定していない質問項目が多く、自己分析の良い準備となるでしょう。何より、市販の本である「自己分析のための101の質問」なんかに答えるより、志望職種の企業のエントリーシートの質問に一つでも多く答える方が絶対に良いのは言うまでもありません。

 ただし、「履歴書を書く前に集中的」に行ってください。いくつものエントリーシートを書く中で自己分析を行い、自己PRが整理できるはずです。そうすれば、最終的には履歴書が良いものに仕上がっています。





 「その企業が人気だからでなく、もっと多くの企業を回って、業界のことをよく知って下さい。」という言葉を、説明会の人事や先輩社員がよく言います。知らずに説明会に行くのでなく、調べてから行きましょう。そうしないと確信をついた質問ができません(戦略が卑怯すぎる?参照)。

 説明会では、人事や年輩社員に個別質問に行くのが良い(終了時に時間を取ってくれる)です。このとき、自分の志望動機ややりたい事を告げ、色々と質問しましょう。
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例:「私は今まで大学で○○のような研究をして来ました。そのため、将来御社で△△の開発に携わりたいと考えています。御社では可能ですか?」
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 別にこれで落とされるわけではないので、面接の準備のつもりで利用できるし、「◇◇にも目を通しておいた方が良い」などと助言ももらえる。しかも、説明会に来る人事が、そのまま面接官と言うことも。

 説明会から知り合いとは行かず、一人で参加しましょう。その方が色々勉強になるし、心置きなく作戦が実行できます。





これは行かなくても良いです。大手指向の人なら、全くの時間の無駄。通常、単独の説明会では人が集まらない企業ばかりです(地方の場合)。
 まだ業種・職種や行きたい会社が見つかれないのなら仕方が無いです。ただ「この企業には入社する気は無いけど、とりあえず説明会を見てみたい」と言う考えで、3月以降に友人と一緒に行くなら、この時点であなたの就職活動は失敗です。
 業種が絞れず就職活動するのは、本当に危険です。絞れたときは行きたい会社はエントリーを締め切ってたりします。
 初めての就職活動なら一度は参加して雰囲気を知るのは良いけど、深入りをしすぎると、良い就職活動はできません。ご注意を。






 「履歴書は長々と文章にしない」。一瞬で見て面接官が分かる書き方が好いです(相手が履歴書を熟読している間の時間がもったいないし・・)。
 太字ペンと細字ペンを使い分け、矢印や点を有効的に活用する履歴書が、密かに人事の間で好印象です(10人に1人は似た書き方らしいです)。
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例:私の特徴
目標を高く持ち、計画的・意欲的に取り組みます
1)入学時「誰よりも大学で多くのことを学ぶ」という目標を掲げた
2)単位認定されない教科についても、計画的に取り組んだ
⇒学科内では上位の成績で、かつ学内最大の単位数で卒業
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また、起承結を含めて書くこと。単なる自慢話では無く、「そこから何を学び、どういう結果を得たか」が重要。また、以下のメリットがあります。

1)箇条書きなので、通常より多く記述できる。
2)自分の中で、自己PRを整理しやすい。
3)助動詞や接続詞が少ないため、面接で履歴書の棒読み自己PRにならない(口語では文章の補間が必要なため)。

この方法はエントリーシートで利用してもよいです(私の履歴書内容参照)。
Web





 Web試験は、データを送信しなければ3回程度は受け直し可能です。上限過ぎて、受け直しできなければ「PCが不安定で故障した」と、管理人にメールを出しましょう。ただし、問題はランダムになっており、画面キャプチャーなどはあまり意味ありません(解いた後、自動で送信される場合もあるので、最初の1回目は真面目に解きましょう)。なお、他の人が解くのを見たり、何人かで問題を解く学生も首都圏の大学には多数います

 筆記試験では、筆記試験中に解けなかった問題は、手に書いて帰って解きましょう。この繰り返しで、解けない問題は減ってきます。

 SPIで良く言われる誤謬率は、まず無視して構いません(SPI-Rなどしか利用していません。ただし2006年以降はSPI2が主流になるので分かりません)。設問は全部埋めてしまいましょう。試験に関しては良書が幾つかあるので、それを一冊すれば、間違いなくレベルが上がるでしょう。






 面接前日に、他社の面接をスケジュールに入れるのはやめましょう
 志望動機が完全に決まっているのなら良いですが、前日(前日までに)はインターネットで「企業に関する情報収集」をしておきます。
 当たり前だと思うでしょうが、このとき探す情報収集元は受験する企業のサイトではありません。例えばIT関連志望の人なら、google等の検索エンジンで、「企業名」で検索し、IT関連のニュースサイトの記事で受験する企業を探して下さい(会社のサイトは誰でも見ている)。
 理由は、「社会的な評価や、現在の強みが客観評価されている」ことが多く、思いがけない掘り出し記事が見つかることがあるからです(最新情報や、新しい企業の側面も見えてきます)。
 特に「ジャーナリストと担当者の「対談」記事」などがあれば必見です。面接の志望動機や、会話のやり取りでそのまま利用できます(大手になるほど、人事は逆に目を通していません)。この時、必要であれば印刷し、新幹線などで読むことを進めます。

 中小企業は検索で見つからないことがあります。この時でも、諦めず色々なキーワードで検索し、関連記事を一つでも多く探して下さい。




 これには落ちたらいけません。何度も落ちる人は、至急対策を練り直すことを勧めます。一次は技術系なら「志望動機」が十分でなくても、「自己PR」ができれば、大抵通過できます。
 逆に言えば、何度も落ちる人は自己分析・PRが他の人と比較して足りない。もっとエントリーシートを書いて自己分析を行うこと。何を話したら良いのか分からない人は、一次がグループ面接の企業を受けましょう。他の学生が言うことを聞くことで、どのように話せば良いのかが見えてくるはず。

 緊張して上手く話せない人は「カセットに自分の志望動機やPRを録音して、聞く」と言うのがお勧めです。自分で言ったことを客観的に評価することを繰り返す中で、上手くなります。自信があれば緊張しません。









I
「面接官の質問は全て自己PRに結びつけろ byメンタツ」なんて抽象的すぎて分かりません。具体的には、「履歴書に書いた自己PRに、面接官が質問してきた内容をさりげなく誘導する。」ただ熟練しないと難しい。
・研究について
・得意科目について
・クラブ活動・文化活動について
・学生時代に最も力をいれたことについて
・自分の特徴
・志望動機
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例:名義のみ貸した「クラブ」の話になった時
面「君は美術部になぜ入ったのか?」
自「私はWebサイトの開発を3年前よりしており、デザインセンスも必要だと・・(学生時代に最も力をいれたことを流用)」
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 面接では、履歴書に書いた内容は全部言い切るつもりで臨みましょう。履歴書は、自分が事前に考えた最良の自己PRのはずです。
「最後に何か質問は?」の時には、質問を本当にする必要はありません。この時に、履歴書で言い切れなかった内容を話して、ちゃんと自己PRと熱意を伝えて下さい。
「先ほど、○○について質問されましたが、加えて・・以下自己PR・・をしてきました。入社後も頑張りますので、宜しくお願いします。」
 「最後に何か質問は?」は、逆転のチャンスを与えてくれた、と考えましょう。









II
 さらに高くを望む方は、面接を「ボイスレコーダ」で、録音しましょう。生のやり取りは、後で聞き直せますし、非常に有力な「生きた情報」です(セクハラも後で告訴できます・・・)。
 「先輩の面接報告書」の質問内容などを見ても、似た感じですし、何より、誰もが翌日には質問された内容を完全に覚えていません。「自分が失敗した」と思った内容は記憶しているけれど、些細な出来事や質問は、まず記憶から消えてしまいます。しかし、不採用の原因は、大抵その思い出せない項目にあったりします。
 また、面接で何でも正直に答える必要はありません。「英語はできますか?」という質問に対しては「英語で苦労したことはありません(まあ、TOEICは400点程度だけど)」で結構です。別に、海外で生活している訳でもなく、苦労してないので嘘ではありません。

 同様に「では内定を出すと来てくれますね?」と言う質問には「是非よろこんで(行きたいと言う心境で面接に望んでいます)」で結構。「行きます」とは言っていませんし、嘘ではありません。
※()の中は口に出してはいけません。企業でさえ、不利な点は隠しています。学生だけが不利な内容を語る必要はありません






面「運営で困った事はない?」
学「意見対立や困った事がないのが、悩みでした」
 上の内容と矛盾するが、マニュアル本の「自分の弱みは聞かれても言うな」というのに影響されると、面接官は「意見対立の無い組織だったのだろうか?それなら彼は独裁的な人物なのだろう」と評価されます。
 この質問では、面接官は「困難に直面したときに、どう対応し、どう克服したか」を知りたいのです。悩んだ経験の無い人が、実際の仕事で通用するか疑問だと考えられます。
 この質問については、履歴書に書いた内容(自己PR・成功談)を話すだけで大丈夫です。ただ、そのままではいけません。成功の影には必ず失敗があります。その失敗談を話して、それを「どう克服して成功したか」を話せば、履歴書の中身で自己PRできて一石二鳥です。











 「自分の専門分野以外の会社へ行きたいけど、知識も無いしどうしよう」という人は多いはずです。
 基本的にどのような専門の人であれ、多くの大手企業では、様々な専門者を募集しています(例えば自動車メーカでも経済・情報・化学系を募集してます)。人事は大学で学んだ内容を第一に適性を考えません。論理的思考能力、協調性や、やる気などをチェックし、適性を評価します (一部の専門職を除く)。このため、基本的に大学時代で学んだ内容に固執する必要はありません。

 ただし例えば「なぜIT企業ではなく自動車メーカ志望なのですか?」などという質問には答えれるように。「自動車の場合は、システムに脆弱性があれば人の生死に関わります。そのような世界で仕事をする中で、自分の技術を磨きたい」など言い方は幾らでもあります。参考書籍は「転職用」が良いでしょう。違う業種志望の志望動機を参考にすれば活路が見えてきます。

 なお、職種が違う場合で専門的な内容の場合は難しくなります(リサーチ・コンサル等)。専門の人よりも能力が高いことをアピールする必要があります。




 集団討論(グループディスカッション)は、最初に自己紹介させて、自分の敵になりそうな人物に「議長」を勧めます。議長はあまり発言できないため、慣れていないと自分のPRが難しいです。また議長が見忘れている学生に「○○さんの意見も聞いてみたいのですが?」と配慮したふりをして、議長の顔をさりげなく潰してしまいましょう。

 逆に、他の人に主導権を握られ、自分の知らない内容で盛り上がってくるとまずいです。適時誘導が必要ですが、露骨にするとマイナス。逆に得意な内容の時は「○○さんは、どのようにお考えですか?」と一人一人潰していきましょう。
 例えば「会社において○○のような場面に遭遇したとき、どうするか?」がテーマの時「皆さんは、○○のような経験はありますか?私はありまして・・・」と、さっさと自己PRしておいて、主導権を握っておければ楽になり ます。再度言いますが「配慮性」「協調性」も、高い評価対象なので露骨に相手を攻撃しないようにみせかけましょう







 面接で突然懐から取り出す「飛び道具」。中には「家でクッキーを焼いてきました」とかもいる。この「飛び道具」で何をアピールしたいのでしょう?「じゃあ、お嫁さん候補に採用しましょう」って言われると思いますか?

 有効な「飛び道具」としては、「研究内容を伝えるPowerPointのA4用紙一枚(一スライドのみ)」です。よく面接では「研究内容について、分かりやすく説明して下さい」と言われますので、図を使って説明するほど分かりやすいものは無いですから。
 この時「スライドをコピーしたのですが、提出してよろしいですか?」なんて面接官に質問しないように。大抵「口頭でお願いします」と言われます。使い方としては、研究の説明をしながら、場合によって自ら出して話をします。スライドは遠くからでも分かるように字を少なめに、文字は大きく。適時用紙を叩いて、面接官の視線を誘導しましょう
 ※ただし、これで採用率がUPする、と言うわけではありません。説明を理解してくれない失敗が防げると考えましょう。









 「Web適性は落ちません」「最終面接は意思確認」なんて言う噂話がありますが、そんな訳はありません。多くのお金と人を利用して、採用を行っているのに、そんな無駄なことをして何の意味があるのでしょう?
 通常、一次試験は技術者や人事の新人が多いです。合格・不合格の権限は持っておらず、面接用の「書類」に、面接で学生が話した内容を、そのまま記述しています。
 逆に最終面接では、その人物自身が「採用」「不採用」の権限を持っていることが多いです。「通常は協議会にかけて、採用を出すのですが、私の判断で君を採用しましょう」と言うことも多々あります。あまりにも、面接官がベテランすぎて、質問の誘導が上手なために「意思確認」だったと勘違いすることが多いですが、会社で役立つ人材かをきちんと検討して、採用・不採用を決めています。








 上記の戦略は「卑怯」でも何でも無く「入社したら当たり前」に行われる内容です。就職活動の時のノウハウはビジネスにおいて極めて重要な習慣です。「何度も同じ作業をするとき、それを省略する方法を考える」「仕事をする際に必ず記録を残す」などは、社会人には必須の能力です。

 大抵の人は、一生懸命やった仕事に満足して、記録を残しません。仕事のできる人は必ず仕事の記録を残します。仕事の引継、外注、分析や資料作成で、記録は大きく役に立ちます。

 また、仕事においては「企業や業界をわずかの期間で調べて、クライアントと対等に話す」と言うのは当たり前です。初めての接触で、どんな風に営業トークを繰り出すか、相手の関心を引きつける切り口を熟知する必要があります。そのためにも「相手を熟知」する能力は重要です。
 是非とも就職活動で学んだノウハウを、社会人になっても忘れないで下さい。


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