WindowsでLinuxを使い人向けの「Cygwin」「gnupack」



Windows上でLinuxや他のOSを利用したい場合は「VMware」というアプリケーションが存在します。

方法長所短所
VMwareを利用する必要なLinuxをインストールできるマシンスペックとHDD容量が必要
cygwinを利用するWindowsでUnixツールが使える環境変数がWindowsと混ざる
gnupackを利用するインストール不要でLinuxコマンドとEmacsが使える最低限のコマンドしか用意されていない

「Linux に近い環境が利用できれば良い」という方であれば「Cygwin」「gnupack」がお勧めです。

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gnupack について

gnupackは2009年頃に登場したインストール無しでcygwin環境とemacsを利用できるパッケージソフトウェアです。

Cygwin について

Cygwinとは RedHatで行われているプロジェクトで、GNUのツールをWindows上で動かそうというものです。

フリーでダウンロード可能ですが、ファイルサイズは「300MB」近くあり、フルインストールすると「900MB」を超えます。

インストール方法

cygwinインストール画面

途中、バージョン番号をクリックすると、インストールするバージョンを切り替えることもできます。

最初はデフォルトのままでいいでしょう。

cygwin インストール後の設定

cygwin の bin ディレクトリにパスを通す必要があります。

[スタート] → [コントロールパネル] を開き、その中の[システム] アイコンをクリックしましょう。

環境変数

環境変数のウインドウの中の「システム環境変数」の中の [Path] の項目を選択し、「編集」ボタンをクリックします。

その先頭に 「 c:\cygwin\bin; 」と追加します。C ドライブ以外にインストールした場合は、インストール先のドライブを指定します。

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操作方法について

次のアイコンをクリックするとターミナルが起動します。

cygwin

このターミナルでUNIXコマンドを入力すれば、大抵の動作を行うことが出来ます。(フルインストールした場合)

cygwin起動画面

XFree86の起動方法

UNIX には「XFree86」という Window環境 が存在します。Cygwin/XはCygwinのsetup.exeによってインストールされます。

cygwin5

「X11」カテゴリーから「xorg-x11」と書かれたパッケージを全て選択してください。Cygwin/Xを加えることができます。

起動は次のいずれかのコマンドです。

$ startx
$ startxwin.sh
$ xinit

これらのコマンドの違いは次のようになります。

コマンド説明
startxmultiwindow モード。xterm が起動します。xterm を終了すると X サーバも終了します。内部で xinit を呼び出しています。
startxwin.shmultiwindow モード。xterm が起動します。xterm を終了しても X サーバが終了しません。
xinitX 自体のウィンドウが開き、その中に xterm が起動します。xterm を終了すると X サーバも終了します。

XFree86の環境構築

デフォルトでは、xterm が立ち上がるだけの画面が表示されます。

「 $HOME/.xinitrc 」に記述することで、起動時に様々なアプリケーションを立ち上げることができます。次のように記述してみましょう。

#!/bin/sh

xsetroot  -solid  DarkSlateBlue  &
xeyes -geometry  75x45+0-0  &
xbiff  -geometry  +0-50  &
oclock  -geometry  75x75-0-0  &
xterm -fn 8x16 -r -fg hotpink  &

twm &
exec xterm -fn 8x16 -geometry +0+0 -name login

次のように表示されます。(twm をインストールしておく必要があります)

X起動

ルートレスモードで起動する

Cygwin のX Window System は Windows XP で動作するため、たまにルートウインドウが邪魔になることがあります。

「 $HOME/.xserverrc 」を作成して、次の設定を記述しましょう(解像度の設定・フルスクリーンモードの設定も同様です)。

#!/bin/sh

# 解像度を設定
#/usr/X11R6/bin/XWin.exe -screen 0 800x600

# フルスクリーンモードで起動する
#/usr/X11R6/bin/XWin.exe -fullscreen -depth 32

# マルチウインドウモードで起動
#/usr/X11R6/bin/XWin.exe -multiwindow

# ルートレスモードで起動
/usr/X11R6/bin/XWin.exe -rootless

なお「XWin.exe」には主なオプションは次の通りです。

オプション説明
-screen{スクリーン番号}{高さ}{幅}起動時のウインドウサイズを指定
-emulate3buttons{秒数}3ボタンマウスをエミュレートする。「秒数」には、左右のボタンを押す間隔を設定
-lesspointerWindowsのマウスポインタを隠す
-rootlessルートウインドウを隠す
-multiwindow各Xアプリケーションを独立したウィンドウとして動作させる
-mwextwmタスクバーに表示させず動作させる
-clipboardクリップボード(カット&ペースト)を利用
-fullscreenフルスクリーンモードで起動する
-depth{色数}表示色を指定(-fullscreen 指定時)
-engine{タイプ}描画エンジンを選択(1:シャドーGDI 2:シャドーDirectDraw 4:シャドーDirectDraw 16:通常のGDI)

X Window Xsystem の特定のアプリケーションを利用したい時などに便利でしょう。

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