芥川龍之介賞・直木三十五賞まとめ
共に「直木三十五」「芥川龍之介」の名を記念して昭和10年に制定されました。
「芥川賞」は、「純文学」といわれる分野の作品に送られます。「純文学」とは、人の生き方を読者に考えさせる小説だと言われています。また、受賞(主に無名もしくは新進作家が対象)するためには、文章や話の中身も、それまでの小説にない新しさが求められています。(正賞は懐中時計、副賞は100万円です。)
一方「直木賞」は、「大衆文学」を対象(無名・新進・中堅作家が対象)にしています。「大衆文学」とは、たとえばミステリーや冒険小説など、読んで楽しめる作品をさします。しかし、最近は純文学とのはっきりとした区別は難しくなっています。
また近年、芥川賞は若い作家が、直木賞は実績十分な作家が受賞することが多いようです。
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受賞年度 | 回数・半期 | 芥川龍之介賞 | 直木三十五賞 | |
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令和4年 | 第167回 | 上 | おいしいごはんが食べられますように(高瀬隼子) | 夜に星を放つ(窪美澄) |
令和3年 | 第166回 | 下 | ブラックボックス(砂川文次) | 塞王の楯(今村翔吾) |
下 | 黒牢城(米澤穂信) | |||
第165回 | 上 | 彼岸花が咲く島(李琴峰) | 星落ちて、なお(澤田瞳子) | |
令和2年 | 第164回 | 下 | 貝に続く場所にて(石沢麻依) | テスカトリポカ(佐藤究) |
第163回 | 上 | 首里の馬(高山羽根子) | 少年と犬(馳星周) | |
上 | 破局(遠野遥) | |||
令和1年 | 第162回 | 下 | 背高泡立草(古川真人) | 熱源(川越宗一) |
第161回 | 上 | むらさきのスカートの女(今村夏子) | 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び(大島真寿美) | |
平成30年 | 第160回 | 下 | ニムロッド(上田岳弘) | 宝島(真藤順丈) |
下 | 1R(ラウンド)1分34秒(町屋良平) | |||
第159回 | 上 | 送り火(高橋弘希) | ファーストラヴ(島本理生) | |
平成29年 | 第158回 | 下 | 百年泥(石井遊佳) | 銀河鉄道の父(門井慶喜) |
下 | おらおらでひとりいぐも(若竹千佐子) | |||
第157回 | 上 | 影裏(沼田真佑) | 月の満ち欠け(佐藤正午) | |
平成28年 | 第156回 | 下 | しんせかい(山下澄人) | 蜜蜂と遠雷(恩田陸) |
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第155回 | 上 | コンビニ人間(村田沙耶香) | 海の見える理髪店(荻原浩) | |
平成27年 | 第154回 | 下 | 死んでいない者(滝口悠生) | つまをめとらば(青山文平) |
下 | 異類婚姻譚(本谷有希子) | |||
第153回 | 上 | スクラップ・アンド・ビルド(羽田圭介) | 流(東山彰良) | |
上 | 火花(又吉直樹) | |||
平成26年 | 第152回 | 下 | 九年前の祈り(小野正嗣) | サラバ!(西加奈子) |
第151回 | 上 | 春の庭(柴崎友香) | 破門(黒川博行) | |
平成25年 | 第150回 | 下 | 穴(小山田浩子) | 恋歌(朝井まかて) |
下 | 昭和の犬(姫野カオルコ) | |||
第149回 | 上 | 爪と目(藤野可織) | ホテルローヤル(桜木紫乃) | |
平成24年 | 第148回 | 下 | abさんご(黒田夏子) | 何者(朝井リョウ) |
下 | 等伯(安部龍太郎) | |||
第147回 | 上 | 冥土めぐり(鹿島田真希) | 鍵のない夢を見る(辻村深月) | |
平成23年 | 第146回 | 下 | 道化師の蝶(円城塔) | 蜩ノ記(葉室麟) |
下 | 共喰い(田中慎弥) | |||
第145回 | 上 | 下町ロケット(池井戸潤) | ||
平成22年 | 144回 | 下 | きことわ(朝吹真理子) | 月と蟹(道尾秀介) |
苦役列車(西村賢太) | 漂砂のうたう(木内昇) | |||
143回 | 上 | 乙女の密告(赤染晶子) | 小さいおうち(中島京子) | |
平成21年 | 142回 | 下 | 廃墟に乞う(佐々木譲) | |
ほかならぬ人へ(白石一文) | ||||
141回 | 上 | 終の住処(磯崎憲一郎) | 鷺と雪(北村薫) | |
平成20年 | 140回 | 下 | ポトスライムの舟(津村記久子) | 悼む人(天童荒太) |
利休にたずねよ(山本兼一) |
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授賞は年2回。直木賞は「オール讀物」、芥川賞は「文藝春秋」で掲載されます。
現在は、日本文学振興会という団体が、毎年1月と7月に発表しています。受賞作は、作家10人で作る選考会で話し合って決めます。同時に2つの作品が選ばれるときもあれば、選ばれないときもあります。受賞の知らせは電話で伝えられ、その後、記者会見が開かれます。