ファッショントレンドの生まれかた、SPAモデル
ファッションには「トレンド(流行)」があります。
従来「トレンド」は、商品を顧客が目にする2年前から次のような決まったプロセスに従って生み出されていました。
時期 | 詳細 |
約2年前 | 流行色の方向付け→インターカラー(国際流行色委員会)など |
約1年半前 | ファッショントレンドの方向付け→トレンド情報会社 |
約1年前 | 素材の方向付け→プルミエール・ヴィジョンなど |
約半年前 | デザイナーのコレクション発表、アパレル企業の展示会開催 |
実売期 | 小売店での商品展開 |
しかし、最近では女子高生/芸能人発でトレンドが生まれる事はあります。
また、2004年春夏のトレンドだった「色柄もの」など、すべてが消費者に受け入れられない現実もあります。
最近では、SPAモデル(speciality retailer of private lavel apparel:アパレル製造小売業)が主流となっています。
時期 | 詳細 |
約半月前 | POSデータの情報を参考に、各アパレルメーカー独自で次の流行を考える(大手アパレルメーカー) |
約2~3ヶ月前 | 書店で一般に売っているファッション雑誌を参考に、商品企画を考える(小規模メーカー) |
実売期 | 小売店での商品展開 |
従来型のトレンド決め
流行色の方向付け(約2年前)
「国際流行色委員会(インターカラー)」と呼ばれる世界14カ国が、流行色の決定を行います。
インターカラーでは、実シーズンの約2年前に、加盟各国が提案色を持ち寄り、カラーを選定します。
参考サイト
ファッショントレンドの方向付け(約1年半前)
インターカラーの選定色を受けて、欧米各国のトレンド情報会社が、総合的なファッショントレンドを予測し、情報を発信します。
この時期、欧米の(主にパリ)トレンド情報会社から発信されるトレンド情報を参考に、デザイナーは「デザイン」を、テキスタイルメーカーやヤーンメーカーは「素材」を開発していきます。
また、インターカラー(国際流行色委員会)の日本代表団体である、「社団法人 日本流行色協会(JAFCA)」から、「アドバンスカラー・ファッションカラー」も発表されます。
参考サイト
素材の方向付け(約1年前)
実売期の約1年半~1年前に、「ヤーン展(糸の展示会)」と「テキスタイル展(服地の展示会)」が行われます。
国際的に影響力のあるテキスタイル展としては、次が有名です。
これにより、服地のトレンドが決定づけられます。
デザイナーのコレクション発表、アパレル企業の展示会開催(約半年前)
ヤーン展、テキスタイル展を基に、実売期の約半年前から開催されるのが、次の都市で開催されるで開催される「デザイナーコレクション」です。
- パリ
- ミラノ
- ロンドン
- ニューヨーク
- 東京
- マドリード
この頃になると、各アパレルメーカーの展示会がスタートします。
それに伴い、「オッジ」や「クラッシー」といった国内の一般ファッション誌からもトレンド情報が発信されるようになり、徐々に、消費者の間に次のトレンドが浸透していくようになります。
小売店での商品展開(実売期)
各ショップの店頭に実際商品が並び始め、実売期に突入することになります。
最近のトレンド(SPAモデル)
これは、アパレルメーカーが、自社企画ブランドを開発し、直営店を出店して、消費者に販売する形態を指します。
「オゾック」「コムサ・デ・モード」「ギャップ」などが代表的で、今では一般的なモデルです。
店頭でのPOSデータ等を参考に、「いま売れるているものを、いま作り、いま店頭に投入する」という仕組みが、SPAの最大の特徴です。