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Mr.サンデー 地震直後の東京ディズニーリゾートの対応から学ぶ危機管理

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3月11日 日本最大のテーマパークを襲った東日本大震災。7万人もの来園者を守ったスタッフたちの危機対応力に注目しました。

想定外」そんな言葉が免罪符のように使われる未曽有の大震災。しかし、それらを全てを想定内として受け止め実行にうつした組織があります。

年間2500万人が訪れる日本最大のテーマパーク、東京ディズニーリゾート。今、日本が問われる危機管理の姿が見えてきました。

地震発生からのディズニーリゾートの対応

3月11日当日の対応状況

午後2時46分震度5強、開演依頼最大の地震発生
40秒後 場内アナウンス
午後3時22分地震対策統括本部 設置
午後6時 来場者を屋内施設へ誘導開始
ゲスト(来園者)約1500人を従業員専用通路を通ってディズニーシー側へ移動
深夜 2万人全員を屋内施設へ誘導完了
「大豆ひじきご飯」の配布

今回の地震でとりわけ液状化が激しかった浦安市。それは東京ディズニーリゾートといっても例外ではありませんでした。

地震により夢と希望の国が一変。揺れるアトラクション、ショーの音楽を奏でるスピーカーも倒れました。
また、道路は液状化で車が走れる状態ではなく、JRなど電車は全てストップ。東京ディズニーリゾートは陸の孤島と化していきました。

1万人のキャスト(スタッフ)を束ねたのは、地震発生30分後に設置した地震対策統括本部です。トップには社長自らがつき、組織の隅々にまでに届く指揮命令系統をいち早く築き上げました。

キャスト(スタッフ)たちの対応

激しい揺れの中、身を守るように呼びかえる女性の姿。彼らは東京ディズニーリゾート全キャスト(スタッフ)の9割におよぶアルバイト従業員です。
あの時、彼らが向き合ったのはディズニーランドとディズニーシー 2つのパークに集まった「7万人もの客」でした。
しかし、この日園内にいた1万人のキャスト(スタッフ)は取り乱しませんでした。

アルバイト暦9年の女性

私たちがまずパニックを起こさないことが一番大事だと思うので、
ゲスト(来園者)の安全を考えることが一番重要

アルバイト暦5年の女性

ダッフィー(ディズニーシーの人気キャラクター)を持って、
お客さまに『これで頭を守ってください』と言ってお渡ししました。

あるキャスト(従業員)は売り物の「ぬいぐるみ」を「防災頭巾」代わりに配りました。

年間180回の大地震を想定した防災訓練

アルバイト暦5年の女性

普段から防災訓練は行っていますので、
お店のものを使ってよいのでお客さまの頭を守ってもらおうという意識はありました。

ゲスト(来園者)の安全のため、年間180回、つまり2日に一度はパークの何処かで本番さながらの訓練が行われています。

また園内に消防車2台を配備し、ファイアキャストと呼ばれる従業員が24時間体制でスタンバイし、園内の防火・防災を行います。

こうした一連の管理体制を危機管理のプロ「防災システム研究所『山村武彦所長』」は、こう語ります。

ディズニーリゾートは「震度6強」を想定していた。
なおかつ、「10万人」が入場者でいるときに、地震が起こったらどうするかを決めていた。
その対策をし準備をし訓練をしていた。特に「最悪を想定した対策」をとっていた。

これが私は非常に評価できると思います。

実際にも揺れから40秒後に場内アナウンスが流れています。

皆さまにお知らせいたします。
ただ今 地震ががありました。
建物のそばにいらっしゃる方は
建物から離れて
広いところでお待ちください

安全確認のため、全ての建物から人が出されました。

マニュアルにはないキャスト(スタッフ)自らの行動

地震当日、頭上には雨雲が広がり始めていました。この時、「気温10℃(1月~2月の寒さ)」です。

おみやげ袋、大きなサイズのお土産袋を無制限にみんなに配り、「床に敷いてください」「頭からかぶってください」などキャスト(スタッフ)自ら判断し行動しました。

  • 青いゴミ袋
  • おみやげ袋
  • 普段は絶対に表に出さないダンボール
  • 使い捨てにポリエチレン手袋
  • 売り物のショップで販売していたお菓子を無料で配布

キャスト(スタッフ)は「ゲスト(来園者)を雨や寒さから守りたい」その一心で、使えそうなものなら何でも配りました。

キャスト(スタッフ)

(並んでたら大変なことになる事も判断し)必ず皆さんに配りますから、その場をお立ちにならないでお待ちください。

アルバイト暦7年の女性

実際に空腹の訴えは無かったが、自分も空腹だったのでゲスト(来園者)はもっとそうだと思いお菓子を配りました

空っぽになった売店。それは日頃からキャスト(スタッフ)が教えられていた哲学を象徴する光景です。

全てはゲスト(来園者)の安全と安心のためにある

そのシンプルな哲学さえ守れば、アルバイトでさえマニュアルにとらわれず自分で考え実行すればよいのです。

ある従業員は、じっと座り込むゲスト(来園者)にこう呼びかけました。

アルバイト暦5年の男性

ずっと座ってるとエコノミークラス症候群になっちゃうかもしれないから、
皆さんちょっとでいいから軽く運動しましょう。

あるものは余震が続く中、自らシャンデリアの下に立ちゲスト(来園者)を危険から遠のけました。

アルバイト暦5年の男性

皆さん大丈夫です。僕はシャンデリアの要請ですから、何があっても皆さんを守ります。大丈夫です。

地震の恐怖に怯える子供たちをこうして笑顔にしたものもあります。

アルバイト暦6年の男性

皆さん おみやげ袋をお持ちですか?
そして皆さん もしよろしければ、こちらのおみやげ袋の中に"隠れミッキー"がいるっていうのはご存知ですか?

明確な哲学のもとに、一人ひとりが判断し動くことの強みを象徴しています。

園内に残った帰宅困難者2万人への対応

日が暮れても復旧の目処のたたない鉄道はゲスト(来園者)の心細さを募らせました。

夜が暮れるにつれ、このままディズニーリゾートにいれるのかどうか、皆不安に思っていました。噂でも「(閉館時間には)追い出される」のような話もあります。

不安にかかえる客が安全確認の終えた建物に誘導され始められたのは、午後6時を回った頃です。

  • アトラクション内の通路
  • シアターの座席
  • レストランの床

しかし収容すべき人数はおよそ2万人です。

気温4℃まで下がった屋外には、ブルーシートの中でまだ多くのゲスト(来園者)たちが寒さをしのいでいました。

急遽、彼らの安全避難場所に決定したいのは、ディズニーランドより早く安全確認が完了したディズニーシーでした。
しかし広大な敷地に広がる二つの園の移動には液状化で傷んだ危険な道を延々と歩かせないとなりません。

そのとき、統括本部はくだした決断は、東京ディズニーリゾート28年の歴史を覆すものでした。

統括本部の担当者

当時ファンタジーランドには多くのお客さまがいらっしゃいました。
そのお客さまを従業員専用通路の向こう側を通じて東京ディズニーシーへご案内したということです。
今までには決してないこと。
夢の王国を支えるバックが見えてしまいますので、本来はお客さまには一切お見せしない場所になります。

本当に守るべきは前例ではなくお客さまの安全でした。

ゲスト(来園者)約1500人が従業員専用通路を通ってディズニーシー側へ移動しました。結局、すべてのゲスト(来園者)が屋内に避難したのは日付が代わっての事でした。

屋内避難後の東京ディズニーリゾートの対応

突然テーマパークで夜を過ごすことになった2万人の客から不安が消えることはありません。

売店なども全部中止になっているので、飲まず食わず状態が続いていました。

そんな時に配られたのは、ディズニーの世界には少々不似合いの「大豆ひじきご飯」でした。

実は、ディズニーリゾートには約5万人が3~4日過ごせるだけの非常食が常に蓄えられています。

その中から、あの日出されたのは、お湯をかけて15分待てば(50人分が)すぐに食べられる大豆ひじきご飯でした。

ゲスト(来園者)

温かいご飯だったので助かりました。ホッとしました。
まさかこういうものが頂けるとは思わなかったので、すごいビックリしました。

最新の情報が絶えず更新されることで、一つまた一つと消えていく人々の不安

更に深夜になっても刻一刻と変化する交通情報を貼り出し続けました(電車の運行状態・道路状況)

こうして、落ち着きを取り戻したパークは2万人もの客をかかえたまま、夜明けを迎えました。

構内アナウンス

ただいまシンデレラ城の前
朝日がもう登ってまーす。

ゲスト(来園者)たちは最後まで笑顔だったキャスト(スタッフ)に見送られ家路に着きました。

ゲスト(来園者)たち

考えてみればキャスト(従業員)の方も我々と同じ被災している。しかし全然嫌な顔をせず、ずっと笑顔なんですよね。
凄い頑張ってたから、すごい信頼できた。ありがとうと伝えたかった。

参考

7万人の命守った危機対応 3.11ディズニーの真実(2011年5月9日(日) フジテレビ/Mr サンデー)

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