男女はなぜ恋をして惹かれあうのか・恋は3年の理由
脳科学はいま、恋のメカニズムを解明しつつあります。その中心は「ドーパミン」という脳内物質です。快楽を司るドーパミンの大量分泌が、恋する二人の絆となっているようです。
脳科学から分析した
- 「男女はなぜ惹かれあうのか」
- 「男女はなぜすれ違っていくのか」
- 「なぜ恋愛の賞味期間は3年なのか」
ついて載せておきます。
男女はなぜ惹かれあうのか
恋をすると男女共に、脳の
- 「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」
- 「扁桃体・頭頂側頭結合部」
の働きが変化します。
恋の中枢「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」
「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」は、恋に落ちると脳内物質(ドーパミン)を大量に放出します。また、集中力が高まり、気力に満ち溢れ、疲れを感じさせません。電話の前でずっと待つことが出来るのも「ドーパミン」の影響です。
つまり、恋をすると「ドーパミン」が大量に分泌され、心地よさが伝わるので、相手に会いたいと思うようになります。
恋は盲目「扁桃体(へんとうたい)・頭頂側頭結合部」
恋愛中、活発に動く“腹側被蓋野”とは反対に、ドーパミンの大量分泌で快楽や悦びが感じられると、「扁桃体・頭頂側頭結合部」の動きを鈍化させます。ここは、「批判」や「判断」といった思想を司る場所です。
つまり、恋に落ちると、批判や判断ができなくなるのです。いわゆる「恋は盲目」状態となります。
男女はなぜすれ違っていくのか
恋愛中の脳内は、男女で違うところもあります。この男女脳の違いが、不幸なすれ違いの原因になっています。
男は「視覚」を司る「島皮質」が活性化する
男性は「島皮質」の活動が活発になります。
ここは視覚に関係する場所で、男性は恋をすると「視覚」を活発に働かせます。
ワシントン州立大学のジョン・ゴッドマン博士の研究によると、
- 男性は無意識のうちにその女性が赤ちゃんを産めるか確認している
- そのチェックポイントは、「ウエストとヒップの関係(安産型かどうか?)」
太い女性が好きな人も、細い女性が好きな人も、ウエスト:ヒップ=「 7:10 」の比率の女性が好まれるそうです。
その理由は、原始時代より人類は「子作り」が重要な要因を占めていました。このため、本能的に「赤ちゃんを産める体」かを判断する能力が備わっているようです。
女は「記憶」を司る「帯状回」が活性化する
女性の脳は、「帯状回」の活動が活発になります。ここは、「記憶」を司る場所です。
女性は、恋すると「記憶力」がアップします。理由は
- 男性が責任を持って、自分を大切にしてくれるかどうか判断するため
です。
具体的には、「何を約束して、果たしてくれたのか」どうか、「自分と子供を守ってくれるために、どんな約束をしてくれたか」を見極めるためです。
その理由は、原始時代より人類は「子作り」が重要な要因を占めていました。このため、本能的に「記憶を頼りに、子作りを手伝ってくれる男性」かを判断する能力が備わっているようです。
なぜ恋愛の賞味期間は3年なのか
「ドーパミン」が大量に分泌されることで、恋する2人が結び付いていますが、「ドーパミン」の大量分泌は体への負担が大きく、長続きしません。
そのため「恋愛の賞味期間」は、せいぜい18ヶ月~3年です。
アメリカでは30年に及ぶ家族の長期研究を通して、長続きしない男女関係では、男女差が大きな障害になっている事実が浮かび上がってきました。
人類の進化の歴史による原因
昔、2足歩行を始めたばかりの人類は、子供が2歳ほどになると、
ために、新たな相手を見つけるようになりました。(※ 他の動物にも、同様のパターンの種が多い)
つまり「子供が成長して二人で育てなくてよくなる」、赤ちゃんの成長までの「限定的な恋」という考えです。
現在社会では、「子育て」が終わった後もパートナーとして過ごすようになっていますが、その歴史は、まだ浅いのです。
現代の男と女の会話による原因
恋心が長続きしない原因は、日常の男女の会話に原因があることが、米国での研究で分かってきました。
ワシントン州立大学のジョン・ゴッドマン博士(心理学者)によると、15分の会話を見る(心拍数)だけで「85%の確率で離婚するかが分かる」といいます。
離婚への典型的な会話のプロセスは次のとおりです。
- 「批判」 → 「防御」 → 「見下し」 → 「喧嘩」 → 「離婚」
つまり、相手を「批判」すると、相手はその批判に「防御」します。これが続くと、相手を「見下し」始め延々続く「喧嘩」へと発展してしまいます。
男女の会話が異なる理由
古代より、男女間の「会話」を行う目的が異なるのが、離婚の原因といわれています。
- 女性
- コミュニティーを通して、ご近所づきあいをするのが目的
- 互いの感情を出し合った会話、人間関係を積極的にするのが目的だったため
- 男性
- 問題解決を行うのが目的
- 男は狩猟に出て、どうすれば獲物を獲られるかを話し合うのが目的だったため
男は狩りの際、常に周りに注意を放たねばならなく、「批判」されると自分が攻撃されたと思い込でしまいます。
一方、女は子供を育てなければならないので、男よりもストレスに強く、心拍数が上がっても男より下がるのが早いです。
会話において
- 男は口喧嘩になると心拍数と血圧が上がる
- 女はストレスに強い
男の方は攻撃されと思い会話を続けるからどんどん心拍数も血圧も上がり、ついには男の方が一方的に会話を打ち切ってしまう。なお、会話を一方的に打ち切る85%は、男性です。
男性は感情が読み止れない
男性は、女性の気持ちを汲み違い、ついつい余計な事をしてしまいます。
男性は女性と違って、感情(特に「恐れ」「悲しみ」)が読み止れません。感情を読み取る際に、
します。男性は、複数の箇所を使って考えているにも関わらず、読み取ることができません。
女性は、相手の顔の表情から感情を簡単に読み解くが、男性は必死に脳を働かせても外します。
女性が悩みを相談するとき、話を聞いてもらいたいだけなのに、男性は解決策を示そうとしてしまう。
こうした男女の違いは、長い狩猟採集時代の遺物ではあるが、無意識のなかに深く根ざしており、日常生活のなかで深刻な影響を与えやすいのです。
参考)漫画「男と女の会話は違う」
「女性が悩み相談で話を聞いてもらいたいだけなのに、男性は解決策を示そうとしてしまう。」典型的な例がマンガでも紹介されています。
参考)「モテるマンガ」モテるマンガ 2巻 (ヤングキング・コミックス) ゆうきゆう・原作, ソウ・作画
男女関係を長続きさせる秘策
男女関係を長続きさせるには、その違いを意識し、相手の気持ちを理解する努力が欠かせません。
特に、
です。喧嘩になる理由の多くは、男に問題がある場合が多いのです。
夫婦の典型的な会話での秘策
日頃の不満をぶつけても、「喧嘩になる」夫婦と「ならない」夫婦がいます。それでは、どういう会話をすればよいのでしょうか。
ワシントン州立大学の離婚防止のカウンセリングプログラムでは、次のような事を行います。
- 夫は妻に質問をする。
- 妻は、夫が自分に関心を示してくれていると安心する。
例)
- 夫「両親が喧嘩していた時、どういう気持ちになったか?」
- 妻「とても不安で、やりきれない気持ちになった。」
- 夫は、妻の心情を分析し始めた。
- カウンセラーが、「あなたは、彼女を分析しなくていいの!」と叱咤。
- (繰り返し)
妻は、夫に自分にずっと関心を持っていてもらいたいものです。それには、相手の気持ちを知ろうとする会話が不可欠なのです。
知るためには、自分の意見を言い続けるのではなく、相手の話を聞くことなのです。
NASAによる研究結果に見る男女
長期の宇宙船で、最も効率的な船上員の実験(男性のみ、女性のみ、男女一緒)において、次のような結果が分かった。
- 男性だけだと、競争心が強くなりすぎる傾向がある
- 女性だけだと、リスクを必要以上に避ける傾向がある
もともと、
- 男性は「目的を成し遂げる力」が秀でている
- 女性は「チームをまとめる力」が秀でている
ため、「男女が共同で生活する」というのは、目的を遂行する上で非常に重要な意味をもっています。
まとめ
男女の違いをちゃんと意識して、相手の気持ちを理解する努力が欠かせない。
参考番組 & 書籍 & サイト
- 女と男 NHKスペシャル「NHKスペシャル女と男最新科学が読み解く性」
- 第1回「惹かれあう二人 すれ違う二人」(2009年1月9日放送)
- その他、書籍でクチコミの多い人気書籍一覧
関連書籍・ソフト紹介