JavaAppletを使ってみよう
Java で作成できるプログラムは次のようなものがあります。
Java アプレット | 最もよく使われています。Web ページを閲覧するとき、ブラウザ上に自動的にダウンロードして実行されるプログラムです。。セキュリティー上ダウンロード先のファイルをアクセスすることは出来ません。 |
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Java アプリケーション | C 、C++ などで開発するプログラム同様に、通常のアプリケーションです。そのため自由度も高く、ほとんどのことが記述出来ます。 |
Java ビーンズ | Java プログラムで頻繁に使う機能を、あらかじめライブラリのような形で作成します。既存の Java ビーンズを使うと短期間で実用的な Java プログラムを開発することが出来ます。 |
Java サーブレット | サーバ側で動作可能な Java プログラムです。 Java アプレットがダウンロードされて実行されるに対して、こちらは Web サーバの中で動作します。 |
Web ページ上で利用するために、ここでは「 Java アプレット( Applet )」について説明します。
JavaApplet 作成の為のコンテンツ
- Java プログラム( SDK )のインストール方法
- JavaApplet での「Hello World!」
- JavaApplet の「クラス化」の方法
- JavaApplet で画像表示
- JavaApplet とCGI/PHP の連携
(1) JavaApplet での「 Hello World! 」
Java プログラムを作成するためにSDK (Standard Development Kit)をインストールされた方はさっそく利用してみましょう。
「 C: 」ドライブの「 jdk1.3.1 」ディレクトリ内に「 source 」と言うディレクトリを作りましょう。
以降、このディレクトリ内でプログラムを作成することにします。
では、次の内容を「メモ帳」に書いてみましょう。
import java.applet.Applet; import java.awt.Graphics; public class test1 extends Applet{ public void paint(Graphics g){ g.drawString("Hello World !!",200, 50); } }
書けたら「 source 」ディレクトリ内に(必ず)「 test1.java 」と言う名前で「保存」して下さい。
次は、Java の「コンパイル」と言う処理が必要になります。
「スタート」→「プログラム」→「アクセサリ」から「コマンド プロンプト」、もしくは「 MS-DOS プロンプト」を立ち上げてください。
「 source 」ディレクトリへ移動する必要があります。移動コマンドは「 cd 」です。
上記の処理が理解できない人は「フォルダ」の概念と「 MS-DOS 」の基本操作を覚える必要があります。
移動できた方は「 javac test1.java 」というコマンドを入力してください。
「 javac 」とは「 Java コンパイル」という意味で、「 C 」言語をやられている方は「cc」と入力して「 C コンパイル」と同様の意味です。
「エラー」が無ければ完了です。「 test1.class 」というフォルダが出来ていると思います。「 C 」言語でいう「 a.out 」みたいなものです。
次にWeb ページ上で利用するために、HTML 文を書く必要があります。
「メモ帳」に次のように入力して名前を(任意)「 test1.html 」とでもして「保存」しましょう。
<HTML> <HEAD> <TITLE>Javaの「Hello World!!」</TITLE> </HEAD> <BODY> <CENTER> <APPLET CODE="test1.class" WIDTH=470 HEIGHT=100> </APPLET> </CENTER> </BODY> </HTML>
先ほどの「 MS-DOS プロンプト」で「appletviewer test1.html」と入力しても表示されます。
また、作成した「test1.html」のファイルを「ダブルクリック」すれば、次のように表示されます。
「背景の色」や「文字の色・大きさ」などは気にしないで下さい。次にプログラムの説明をします。
(2)JavaApplet サンプルの説明
通常 JavaApplet の「基本構造」は次のようになっています。
import java.applet.Applet; import クラス名; [修飾子] class ユーザクラス名 extends Applet{ [修飾子] [型] メソッド名(型 引数){ 処理内容; : } [修飾子] [型] メソッド名(型 引数){ 処理内容; : } : }
そのことをふまえ、先ほど書いたプログラムをもう一度見てみましょう。
下に再度プログラムを載せておきますが、説明のために「行番号」と「コメント」が入っています。
実際、プログラム中に「コメント」を記述したい場合は「//」を行の先頭につけます。
複数行にまたがる場合は「/* */」で「コメント」をはさんで下さい。
// Appletクラス、Graphicsクラスのロード import java.applet.Applet; import java.awt.Graphics; // ユーザクラスの定義 public class test1 extends Applet{ // 描写処理 paint()を定義 public void paint(Graphics g){ // 文字を指定の位置へ表示 g.drawString("Hello World !!",200, 50); } }
JavaApplet の「基本構造」から行別に確認すると、
2 行目は「アプレットを作成」するための宣言を行っています。
3 行目は「画面上に表示する」ための「drawString(12 行目)」を利用するための宣言を行っています。
6 行目は自分が名づけた「test1」をクラスとして定義しています。
9 行目は「paint()」を定義して、描画処理を記述しています。
12 行目は表示内容が「 Hello World!! 」で、表示位置がX軸(右)に「200px」Y軸(下)に「50px」だという意味です。
13、14 行目は「中括弧」を閉じています。
「クラス」とは「変数や一連の処理を記述した関数(メソッド)」をひとまとめにしたものです。
次回は実際に「クラス」とは何なのかについて見ていきましょう。
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