先祖が武士であったのなら、各藩で作成した文書類に先祖の名前が載っている可能性が高くなります。
特に江戸時代は藩の行政能力も充実してきたので、武士の管理は徹底していました。
先祖の名前や所在地だけではなくて、藩の中での役職、功績などが資料から分かります。
城下町には昔の藩の親睦団体があり、藩で作成した資料を保存しています。
また、市町村役場や図書館、郷土資料館、個人の郷土史家がこれら文書類を保管していることがあります。
さらに国公立古文書館や大学の図書館でも探すと色々な資料が出てきます。
分限帳とは、いわば侍の名簿で「侍帳」と呼ぶ藩もあります。
武士として仕官するときに、家系図を殿様に提出しなければならない決まりでした。
これを基に作った名簿が分限帳です。
分限帳で分かることは、次のようなことです。
大きな藩になると、分限帳が活字になって出版されているものもあります。
出版されているものについては、国立国会図書館もしくは国立古文書館で、全国のものはほぼ揃います。
また、地方のものは、それぞれの地域の図書館や郷土資料館で見ることができます。
出版物になっていないものは、次に保管されている場合があります。
どこにどのような資料があるのかは、市町村の教育委員会の社会教育課が詳しい情報を持っていることが多いです。
社会教育課は、地方史の研究や文化財の保存、住民への啓蒙などを役割とする、いわば専門の機関です。
個人の研究者だと善意に頼るしかありませんが、行政機関はそれが仕事ですから必ず対応してくれます。
遺失さえしてなければ、分限帳と共に家系図もセットで保管してあるはずです。
もし分限帳と家系図がセットで見つかれば、家系調査は一応の到達点に達したと考えてよいでしょう。
通常の系図は初代から始まっています。
初代とは、最初にその家を興した人であり、苗字の発祥でもあります。
つまり、これが先祖探しで目指す終着点なわけです。
系図は必ずしも正確とは限らずニセ系図も多いです。
家系の善し悪しによって禄高や出世が決まったので、当然ながら脚色しているケースもあります。
また、系図士がおり、腕の違いやポリシーの違いがあったようです。
ニセ系図づくりの名人と言われた沢田源内という人物が、いまでも知られています。
系図の怪しい部分や、抜け落ちている部分を確認するために追跡調査が必要になります。
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