「除籍謄本(じょせきとうほん)」は、結婚、離婚、死亡、転籍(本籍地を変更)などで記載されてる人が誰もいなくなった状態の戸籍を、役所に発行してもらう際の書面のことです。
簡単にいえば「全員が戸籍から抜けた事を証明する戸籍謄本」です。
※ 死亡や失踪宣告などによって戸籍からいなくなること(法律上死亡したこと)を「除籍」といいます。
除籍謄本の保存期間は150年(除籍となった年度の翌年から150年まで)となっています。
しかし、2010年までは、その保存義務期間は80年でした。つまり昭和5年までの除籍簿は、管理保存している地方自治体の判断で破棄している可能性があります。
方法としては2パターンあります。
請求先は、どちらも「あなたの本籍地の役所」になます。
基本的には「本人、直系尊属(父母等)、直系卑属(子等)」です。
直系とは、血筋が父祖から子孫へ一直線につながる系統です。図で表すと次のとおりです。
なお、同じ戸籍の名欄に記載がある人の間(例:夫と妻)であれば、本人として請求可能です。
直系でない親戚の除籍は原則取得できませんが「委任状」があれば入手は可能です。
参考 親族の兄弟の除籍謄本を入手するための「委任状」の書き方
上記以外の場合は、請求理由等を詳しく記載し、請求理由等が明らかでない場合には、資料の提供を求めるケースがあります。
基本的には窓口での手続きとは変わりません。本籍のある役所が遠い場合には有効です。
窓口の手続きと変わりません。
窓口の手続きと多少異なります。
ただし、本人確認書類としてパスポート(旅券)は認められません。
また、手数料は現金ではありません。
※ 定額小為替の有効期間は発行の日から6か月のものとなります
あとは、返信先住所を記入し切手を貼付した
が必要です。
上記を手紙で説明するのは面倒なので、一筆書いておきましょう。
また、役所によっては「家系図作成」は「戸籍開示の理由にならない」と言われる事があります。
このため「先祖供養のため、先祖をたどりたい」とも一筆書いておきます。
※除籍謄本の保存期限は150年といわれていますが、「保存分があるだけ」出してくれます。
母方や祖母方も同じ役場にあるのならば全てもらっておきましょう。
費用は除籍で1通750円です。
最大で除籍謄本は10通くらいなので、あらかじめ7500円分入れておきます。
余ったら返ってきますのでまた郵便局にいけば現金になります 。
なお、封筒の中には返信の封筒(切手の貼ってあるもの)を同封(自分の名前と住所はあらかじめ記載) しましょう。
切手は80円ではなく、相当の重さ(戸籍10冊くらい)でも大丈夫なようにあらかじめ貼っておいてください。
戸籍謄本送付依頼書 ○○市町村役場 戸籍担当者さま 提出:平成○○年○○月○○日 申請者氏名:自筆○○ ○○ 印鑑 住 所:○○○○○○○○○○ 電話番号:○○○-○○○-○○○○ 発行を申請する文書: 戸籍謄本(または除籍謄本の別) 私の直系尊属の「生から死まで」を全て(この役場にあるもの全て)請求します。 該当者氏名:○○ ○○ 戸籍筆頭者:○○ ○○ 請求人の資格: 開示請求する戸籍の当事者とは、同封する戸籍謄本で示すように、 請求者の直系の血縁関係者です。 開示請求の理由: このたび先祖供養を思い立ち、先祖の戸籍を辿る事になりました。 その為に○○の戸籍謄本を必要としています。 ご面倒をおかけいたしますが、同封する返信用封筒で、 該当する謄本等をお送りください。 不要文書などの返却依頼: なお送付しています「○○の戸籍謄本」と「私の免許の写し」は、 請求者である私の身分証明に使用し、 同封の戸籍文書は開示該当者との間の血縁関係を明らかにしています。 開示するにたる資格を有する証明として瑕疵が無いことが確認されましたら、 お手数ですが、発行文書と一緒に返送用封筒に同封し、 返送してくださいますようお願いします。 添付書類: (1)請求者の身分証明のための運転免許証の写し。 1枚 (2)○○役場発行の戸籍謄本。 ○枚(○枚綴りで一式) (3)交付手数料の納入金として「金○○円分の小為替」 1枚(○枚綴りで一式) (4)切手貼付済みの返信用封筒(A4の文書が入る大型封筒) 1枚 以上。
また、なにかあった時の場合に携帯番号とメールアドレスを書いていれば役場がすぐに連絡できます。
最短なら1週間、不手際で再三請求をすることになったら、最長で1ヶ月程度かかります。
まずは、精査します(誰かの死亡記載の戸籍が欠落してはいないか等) 。
また、返信されたときに担当者の名前が書いてあるので控えておいてください。
直接電話する必要がある際には、直接担当者の話した方が話が早いです。
戸籍制度ができたのは、明治時代になってからのことです。
このため戸籍で江戸時代に他界した人を知ることはできません。
ですが、明治4年に戸籍法が制定された時、生存していた日本国籍を有する者は、ほぼ網羅されていました。
このため、除籍謄本があれば、3代~7代前の先祖を知ることができます。
要するに、江戸時代の天保、文政、文化くらいに生活していた人物名・続柄まで知ることができます。
調査したい時代 | 有効な調査資料 |
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昭和25年以降~現在 | 戸籍謄本・除籍謄本 |
明治初期~昭和初期 | 除籍謄本 |
江戸時代中期~幕末 | 宗門人別帳、各藩士分限帳、古文書(お寺の過去帖、墓石、位牌、その他郷土資料など) |
「墓石建立の為の没年確認」などと言わないと、かなり質問されます・・・
役所によっては破棄していたり、焼失している場合があります。
区役所 | 内容 |
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大阪市淀川区役所 | 80年以上過ぎているので、この間破棄した |
東京都台東区役所 | 関東大震災で焼失してしまい、古いものは存在しない |
東京都世田谷区役所 | 戦後の謄本整理で、世田谷区代田一丁目の謄本は二丁目に移されてる |
この場合は、除籍謄本に頼らない調査が必要となります。
参考 戸籍の豆知識
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