平安時代以降に墓標として加工した石が使われるようになりました。
現在では、方柱形の墓石が一般化していますが、従来は塔型、板碑などさまざまな形があります。
大昔の先祖の墓石が残っているのは稀有な家系です。
庶民は自然石や自然樹を目印にしただけのもので、墓石が一般化するのは江戸時代中期以降です。
また、墓は寺にあると決まっていません。
自家の敷地内に建てる家族の墓や、一族や地域で管理する共同墓地などがあります。
墓の管理やそれぞれの家や地域の人が自分たちの手で行うものでした。
近年になって先祖崇拝の思想が薄れ、墓の管理が面倒になり、お寺にお布施をして自分たちの代わりに日々の供養を委託するようになったのです。
昔は、寺院内墓地ではないことが一般的でした。
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死のけがれを忌(い)む風習から、墓地は生きている人から隔離しました。
このために、人が住むのに適さない沼地や山奥、海辺などに墓地が設けられています。
墓が寺院にないとしたら、どこを探せばよいのでしょうか?
これには幾つかの手がかりがあります。
市町村役場で「墓地台帳」を見る方法があります。
墓地は勝手にどこかに造成して良いわけではありません。
住環境への配慮から、墓地は自治体によって許認可の対象にされています。
このため、昔の墓地を含め市町村でその所在などを確認しています。
寺院内に墓地はなくても、葬式はお寺で執り行います。
このことから、お寺では壇家の墓の場所を把握しています。
お寺でも把握していない場合は、地域の古老を訪ねる方法があります。
管理者がいなくなって放置されたままの墓地も当然あります。
また、市町村の墓地台帳や古地図の記載からもれている墓もあります。
開発などの影響で、もともとあった場所から移転している場合も少なくないでしょう。
調査もベテランになってくると、地図を眺めているだけで墓地のありそうな場所がなんとなく分かるそうです。
いわゆる風水などの考え方をもとに、集落からみてどちらの方向に墓地を作るかというしきたりがあったからです。
古い地図や航空写真をみる方法もあります。
昔の古地図は市町村役場、地域の図書館や郷土資料館などに保管してあります。
航空機が発達してくると、全国の地図を作製するために航空写真が撮られています。
これも市町村役場や図書館、郷土資料館に保管してあります。
地図会社が有料で販売しているものもあります。
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