郷土史は日本各地の自治体で製作されています。
大きなところは都道府県史があります。「神奈川県史」「広島県史」などのタイトルで一巻が千ページにも及び、それが数十巻になっているものが一般的です。
これは大枠を理解するには良いのですが、自家の名字を探すには範囲が広すぎます。
「市区町村史」には、その土地の詳しい行政史や生活史がわかりやすい文章で書かれています。
自家の先祖やその地域の暮らしぶりに迫るには、もっとも狭い範囲の郷土史を探す必要があります。
かつて先祖が住んでいた土地が
「○○県○○郡○○村○○(小字)○○番地」
と判明したら、まずは小字の郷土史を調べます。
それがない場合には「○○村」。
それも無ければ「○○郡史」や「○○県史」を調べます。
遠く離れた地の「市町村史」は、図書館間相互貸借サービスを利用して、地元の図書館を通じて取り寄せます。
申し込む時には次のことに注意しましょう。
図書館間相互貸借サービスは、依頼する図書館が郵送料などの費用を負担しています。
図書館は予算削減により、一度に何冊もの取り寄せには難色を示します。
※ 相互貸借にかかる経費は複写料・送料・梱包料であり、利用者に請求するのが一般的
貸し出した図書館がその本を「貸出禁止」に指定している場合は、取り寄せた本は図書館での閲覧のみで、借り出して持ち帰ることができないので注意してください。
どんな郷土史が存在しているかは、まずは国会図書館のサイトで検索をかけてみるのがお勧めです。
国会図書館には、各地の郷土史がほとんど所蔵されています。
またネット上の検索だけでなく、当該市役所に電話をして教育委員会など郷土の歴史に詳しい部署で、
「旧○○村の事を調べているのですが、参考になる郷土史を教えて頂けませんか?」
と確認した方がよいでしょう。
郷土史は「○○史」「○○村誌」「○○の大地」のように、各村によって色々な名前があり、検索キーワードで見つけるのには限界があるためです。
村史 | 仁保島史 |
大河十軒屋誌 | |
仁保島記 | |
市史 | 新修広島市史 |
図説広島市史 | |
広島市史 | |
広島新開地干拓史 | |
県史 | 広島県史 |
広島新史 | |
芸藩通志 |
まずは、郷土史の近代編(明治初期~昭和初期頃)までの「戸長」「区長」に注目します。
江戸時代中は村の長は「庄屋」「肝煎」あるいは「名主」と呼ばれていました。
さらに、庄屋等の村のリーダーの下には「組頭」「百姓代」などと呼ばれる村役人が置かれていました。
これらの村役人は上層農民であり、戦国期には由緒ある武家であったケースがほとんどです。
明治維新を迎えると、これら庄屋・名主・組頭等の呼称は消えて「区長」「戸長」「副戸長」といった役職に変わります。
明治時代になったからと言って、それまで下層にいた家の当主がいきなり戸長に就くことはありません。
やはり、それまで庄屋・村役人を務めたような家がそのままそうした役職に就いているケースが殆どです。
近代編で区長、戸長がどんな名字だったのか知ると、その地域における名士の家というものが見えてきます。
たとえ直系の先祖の名前でなくても、自家と同じ名字の家が戸長等の役職に就いていないかも確認しましょう。
なぜなら、明治期の同一村内の同姓は同族の可能性が高いです。
郷土史には近世編(江戸時代)がありますが、明治期のものと違い名字が記載されていません。
なので、最初は近代編を確認する必要があります。
探すのは直系の先祖だけではありません。
いつ頃から、その村に人が住み始めたのか?多くの人は何処から流れてきたのか?
郷土誌は地元のヒーロー達の名前の宝庫です。
村・町の統合後に無理やり作ったような郷土誌もあり、書いてある内容の詳細は郷土誌毎に違います。
などは古文書が少なく、歴史的にもあまり興味を持って調査されていない地域で多い傾向です。
昔から伝統工芸や特産物に特長がある地域では、郷土誌の中身も充実しており多くの人名が出てきます。
庄屋などの村役人の文書が多い地に住んでいる方は、文献上に名前を見つけることが可能かもしれません。
明治時代初期の先祖までは..
「除籍謄本」を遡れるだけ..
現地調査は、文献や古文書の..
明治時代以前の調査は、個人に..
江戸時代以前の調査は、個人に..