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簿記3級向け、間違いやすい仕訳まとめ

日商簿記3級は6月、11月、2月に商工会議所が開催する検定試験です。

個人事業主となり青色申告を行う予定の人であれば、基礎知識として受験することをオススメします。

試験概要を簡単に紹介します。

正式名称日商簿記3級
合格率正解率70%以上(30~40%程度の合格率)
受験料2,500円
合格発表1ヶ月後に郵送(県により異なる)
問題形式記述式(出る問題はほぼ固定)
合格のための勉強時間3ヶ月くらい(本気で取り組めば1ヶ月間以内)
その他電卓かソロバンが必要です

簿記3級試験第5問、精算表作成に当たっての勘定科目の覚え方

売上から下が損益計算書の項目で、資本金から上が貸借対照表の項目になります。

ただし「前払○○、前受○○、未収○○、未払○○」は、貸借対照表の項目になります。

ただ、問題によって( )記入の場合、消耗品や当座預金などは貸借対照表の項目になります

  • 損益計算書=収益(貸方)と費用(借方)の状態を表すもの
  • 貸借対照表=資産(借方)、負債(貸方)、資本(貸方)の状態を表すもの

です。

  • 資産、負債、純資産(資本)に分類される科目は貸借対照表へ記載。
  • 収益、費用に分類される科目は損益計算書へ記載。

間違いやすい仕訳

費用の繰延べ

【問題】

支払家賃は、店舗建物の賃借によるもので、毎期同額を8月1日に12ヶ月分として支払っている。

決算X3年3月31日の決算整理前残高試算表(会計期間は、平成X2年4月1日から平成X3年3月31日)は次のとおり。

借方 勘定科目 貸方
42,000支払家賃

【解答】

前払家賃 10,500 | 支払い家賃 10,500

支払家賃勘定の残高42,000円は、前期に支払った12ヶ月のうち、当期に繰り延べられた4ヶ月分(平成X2年4月1日~7月31日)と当期(平成X2年8月1日)に支払った12ヶ月(平成X2年8月1日~平成X3年7月31日)の合計16ヶ月分です。

したがって、次期の4ヶ月分(平成X3年4月1日~7月31日)を繰延べます。

42,000円(試算表の支払い家賃) x 4ヶ月 / 16ヶ月 = 10,500円

発送費に関する仕訳

【問題】

群馬商店に商品¥330,000を売り渡し、代金のうち¥30,000は注文時に受け取った内金と相殺し、¥200,000は新潟商店振出し、群馬商店受取りの約束手形を裏書譲渡され、残額は掛けとした。なお、群馬商店負担の発送運賃¥15,000は現金で支払った。

【解答】

前受金   ¥30,000 | 売上 ¥330,000
受取手形 ¥200,000 | 現金 ¥15,000
売掛金  ¥115,000

他店負担の発送運賃は「発送費」に仕訳してはいけません。

店主の所得税

【問題】

店舗兼居住用の建物と土地に係る固定資産税¥168,000と店主の所得税¥122,000を現金で納付した。なお、固定資産税のうち25%については店主個人住居部分に対するものである。

【解答】

租税公課 126,000 | 現金 290,000
資本金   164,000 |

普通貯金

【問題】

営業活動に使用している携帯電話の5月分の料金¥35,000が普通貯金口座から引き落とされた。

【解答】

通信費 ¥35,000 | 普通預金 ¥35,000

「現金」と仕訳する人が多いようですが、勘定科目を探して「普通預金」を選びましょう。

振替

【問題】

福井商店の当期における総仕入高は¥1,750,000、戻し高は¥60,000、値引高は¥55,000、期首商品棚卸高は¥110,000、期末商品棚卸高は¥95,000であった。また、家賃の支払高は¥300,000、期末における前払高は¥75,000、借入金の利息の仕入高は¥75,000、期末における未払高は¥15,000であった。よって、決算整理後の諸勘定残高を損益勘定へ振り替えた。

【解答】

損益 ¥1965,000 | 仕入     ¥1650,000
                | 支払家賃 ¥225,000
                | 支払利息 ¥90,000

約束手形

【問題】

自己振出約束手形の受入れによる売上高が¥80,000ある

【解答】

支払手形 ¥80,000 | 売上 ¥80,000

為替手形

【問題】

仕入先青山商店に対する買掛金¥320,000の支払いのため、青森商店振出し、仙台商店受取り、当店あての為替手形¥200,000を呈示されたのでそれを引き受け、残額については青森商店あての約束手形を降りだして支払った。

【解答】

買掛金 320,000 | 支払手形 320,000

【考え方】

受取人     名宛人
仙台商店    当店  為替手形の名宛人は手形の支払人です
 ↑      ↑

     青森商店
      振出人

現金過不足

【問題】

現金の実際有高が帳簿残高より¥17,000不足していたので、現金過不足勘定で処理していたが、原因を調査したところ、本日、秋田商店に対する買掛金の支払額¥20,000と、手数料の受取額¥3,000の記入もれであることが判明した。

【解答】

買掛金 20,000 | 受取手数料 3,000
              | 現金化不足 17,000

手形貸付金

【問題】

岩手商店に対し現金¥750,000を4ヶ月の約束で貸し付け、同店振り出しの約束手形¥750,000を受け取っていたが、本日、返済期日となり利息(利率は3%、月割計算による)とともに小切手で受け取った。

【解答】

現金 757,500 | 手形貸付金 750,000
             | 受取手形     7,500

受取手形

為替手形を裏書譲渡

【問題】

A店に商品¥1000を販売し、代金はB商店を受取人、C商店を名宛人として振り出した為替手形を裏書譲渡された。

【解答】

受取手形 1,000 |  売上 1,000

【問題】

埼玉商店より¥84,000を、かつて当店が振り出し、埼玉商店へ裏書きされていた約束手形¥40,000と、かつて当店が振り出し、埼玉商店へ裏書されていた為替手形¥44,600(他店引受済)で回収した。

【解答】

支払手形 40,000 | 売掛金 84,600
受取手形 44,600 |

約束手形の振出人は支払人であるため、当店振り出しの約束手形を受け入れると、手形代金の支払い義務がなくなることから負債の支払手形勘定の減少になります。

それに対し、為替手形は振出人と支払人が異なるため、他人宛(引受)の為替手形の受け入れは、資産の受取手形勘定の増加になります。

同店振出の約束手形

【問題】

A店に商品¥1,000を販売し、代金は同店振出の約束手形で受け取った

【解答】

受取手形 1,000 |  売上 1,000

手形借用金

借り入れ、約束手形を振り出した

【問題】

仕入先から資金¥1,000を借り入れ当座預金口座に入金、同額の約束手形を振り出した

【解答】

当座預金 1,000 | 手形借用金 1,000
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