アメリカでの確定申告、個人事業所得がある場合
日本では、会社が年末調整を行い、その年に納め過ぎた税金・納めたりなかった税金を精算するため、ほとんどの方は確定申告をする必要がありません。
アメリカには年末調整にあたるものがなく、各個人が確定申告を行う必要があります。
個人所得税(Income Tax)に関して
アメリカにおける所得税には次のものがあり、地域によって税率等が異なります。
- Federal Income Tax(連邦所得税)・・・・・日本の国税にあたるもの
- State Income tax(州の所得税)・・・・・・日本の地方税にあたるもの
- Local, City Income Tax(郡・市税)・・・・日本の区民税等にあたるもの
これらは給与支給時に源泉徴収されるものの、年末に自分自身で確定申告を行い、
- 納め過ぎた税金がある場合は還付請求を行う(このため確定申告を tax returnと呼びます)
- 納め足りない場合は、追加納付を行う
ことになります。
全ての所得税に対して、当年1月1日~12月31日までの期間の所得を、翌年4月15日までに確定申告します。
確定申告の確認と注意
課税される所得の確認
居住者は全世界所得、非居住者は米国内で得た所得のみが対象となります。
【所得の例】
- 給料所得(Wage)
- 利子所得(Interest Income)
- 配当所得(Dividend Income)
- 株式売却等のキャピタルゲイン(Captial Gain from Sale of Stocks)
- 年金所得(Social Security Benefit)
- 不動産売却益(Gain from Sale of Property)
- 不動産賃貸所得(Rental Income)
- ギャンブル所得(Gambling Winnings)
控除される項目の検討
居住者は全世界所得、非居住者は米国内で得た所得のみが対象となります。
【主な項目別控除】
- 医療費(Medical Expenses)
- 州または市税(State or Local Income Taxes)
- 固定資産税(Personal Property Taxes)
- 住宅ローンの支払利息(Mortgage Interest)
- 寄付金(Charitable Contribution)
- 災害損失(Casually and Theft Loss)
通年居住者の場合、これらの項目別控除額か標準控除額(Standard Deduction)のいずれか大きい方を控除できます。
副業をしている場合
個人が役務提供の対価として受け取る所得は、次の2つに大別されます。
- 給与所得
- 個人事業所得
米国では、雇用関係に基づいて受け取る所得は給与であり「Form W-2」にて報告されます。
一方、雇用関係のない独立契約者として受け取る所得は個人事業所得となり「Form 1099」にて報告されます。
税金申告は日本と違って、申告用紙に記入後、提出先に郵送するといった形が定着しています。
個人事業に関わる必要経費
個人事業所得に対する課税は総所得から必要経費を控除したネット所得に対して行われます。
何が必要経費に当るかは個々の事実関係により異なりますが、個人の生活費等の私的費用の控除は認められません。
また事業用のコンピューター等の固定資産を購入した場合には資産計上した上、減価償却の計算が必要となります。
場合によっては資産取得費用を一度に控除できる場合もありますので、最も有利となる取り扱いを決定する必要があります。
自動車に係る交通費は基本的にマイル数を基に算定します。
個人事業主に対しては給与所得者よりも IRS(米国内国歳入庁) の税務調査が入る確率が高いので、必要経費についてはレシート等の管理を漏れなく行っておくことが重要です。
オススメ書籍
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